合同会社トリニティファームは、岡山県岡山市君津を拠点に、米の生産と卸売を行っている農業法人です。
旭川流域の豊かな自然環境と向き合いながら、安心・安全でおいしいお米を届けることを目指しています。
現在は業務用のお米の供給が中心ですが、今後の事業拡大を視野に、個人向け販売や新たな販路の拡大にも力を入れていきます。
春 ― 田んぼに命が宿る季節
米作りは、桜の花が散りはじめる頃、まだ肌寒さが残る春先から静かに始まります。
水を張った田んぼに苗が並び、機械の音が静かな山間に響きわたると、いよいよ一年の営みが動き出します。
この時期はまだ、苗も人も慎重に。気温のわずかな変化に気を配りながら、根をしっかりと張るための土づくりと水管理を重ねていきます。

初夏 ― 光と風が育てる季節
田植えを終えて数週間。
やわらかな春の空気から一転、田んぼには初夏の光がまぶしく降り注ぎます。
苗はすでに力強く根を張り、日ごとにその背丈を伸ばしながら、緑の濃さを増していきます。
この時期の田んぼは、まさに「命のざわめき」に満ちています。
風が吹けば稲がそよぎ、そこに集まる鳥や虫の姿にも季節の躍動が感じられます。
水面に映る青空と、一直線にのびる稲の列。
その美しさは、日々の世話の中でふと立ち止まり、見惚れてしまうほどです。

稲刈り ― 実りに感謝する季節
長い夏が終わり、風の中に秋の気配が漂いはじめると、田んぼの風景は一変します。
青々と茂っていた稲は穂を垂れ、光を浴びて黄金色に輝きながら、収穫の時を静かに待っています。
稲刈りは、米作りにおける最大の節目。
春に苗を植え、夏に手をかけて育ててきた一株一株に、どれだけの時間と想いが注がれてきたかを思うと、刈り取りの手には自然と力が入ります。

一年を通して、自然と向き合い、手間を惜しまずに育ててきたお米。その一粒一粒に込められているのは、実りへの感謝と、食べてくださる方へのまごころです。
自然は時に厳しく、思いどおりにいかないこともあります。けれどそのぶん、稲が育ち、穂が実る光景には言葉にならないほどの喜びがあります。
そのすべての過程が、「いただきます」の一杯のごはんへとつながっていく。そう思うと、私たちの仕事は、単なる農作業ではなく、食卓と心を結ぶ営みだと感じます。
大地と向き合い、季節に寄り添いながら、
誰かの口に運ばれるその瞬間まで、まごころを込めて。
私たちトリニティファームは、
「おいしいね」と笑顔がこぼれるごはんを届けたい一心で、今日も田んぼに立っています。

